さちさち

【元CAが教える】空港での保安検査・手荷物検査をスムーズに攻略する方法

飛行機に乗るためには、かならず保安検査(セキュリティチェック)を通過する必要があります。

とくに飛行機に乗る機会が少ない人にとって、金属探知機を通るなんてちょっとドキドキしますよね。

そして実際によくトラブルが起こるのも、この保安検査場なのです…(汗)

保安検査で時間がかかりすぎて飛行機に乗り遅れそうになったり、荷物を没収されたり、苦いエピソードを耳にしたことがあるかもしれません。

でも大丈夫です!
保安検査の流れやルールさえ理解しておけば、問題なく通過できますのでご安心を(^^)

CA現役時代に、世界中の保安検査場でチェックを受けてきた元CAのさちが、検査をすんなり通過するためのコツを伝授いたします♪

毎日のように保安検査を通るCAは、何をどこに、どのようにして収納しておけばいいのか熟知していますからね!

この記事でしっかり、保安検査のイメージトレーニングをしておきましょう(^^)

焦る!困る!保安検査でよくあるトラブル

まずはじめに『保安検査で何に困るのか?』を、実際によくあるトラブルを例にまとめてみました。

トラブル対策はまず【トラブルを知ること】からです!

  • 【慌てる】
    どの金属や液体に探知機が反応しているのかわからず、荷物をひっくり返して探し回った。
  • 【忘れ物】
    慌てて検査を通過したあと、パスポートや腕時計などを検査台に忘れてきてしまった。
  • 【没収】
    香水の瓶やお土産のお酒などが荷物に入っていたため、没収された。
  • 【長蛇の列】
    ラッシュの時間帯ということを知らずに検査場へ行ったら、並ぶ人で大混雑していた。
  • 【タイムプレッシャー】
    搭乗時間ぎりぎりで、並ぶ人にひたすら頭を下げて前に進ませてもらった。

保安検査を甘くみていると、このような事態になりかねません。

とくに乗り遅れに関しては、海外の空港はとても厳しいので要注意です!

日本の空港では何度もアナウンスを入れてくれたり、地上係員さんが拡声器で名前を叫びながら探しに来てくれることもありますが、海外ではまずありえません。

荷物を持ってくれたり、搭乗ゲートまで一緒に走ってくれるような、親切な地上係員さんは日本だけです!(断言)

海外であれば、搭乗ゲートはあっさり閉められ、飛行機は出発してしまいます。厳しいようですが、すべて自己責任なのです。

保安検査はどのタイミングで受ける?

飛行機に乗り遅れないためにも、まず保安検査をどのタイミングで受けたらいいのでしょうか?

空港ではタイムマネジメントが必要となりますので、ここで一度流れをみていきましょう。

チェックインからフライト出発時間までの流れ

チェックインから飛行機に乗るまで、どのような流れになるのかおさらいしましょう。

  1. 空港到着
  2. チェックイン
  3. 受託手荷物を預ける
  4. 保安検査を受ける
  5. 出国審査を受ける
  6. 搭乗ゲートに向かう
  7. 飛行機に搭乗する
保安検査では液体に注意
100mlを超える液体物がある場合、カウンターで預ける受託手荷物の中に必ず入れておきましょう!

保安検査場で液体物が判明した場合、どんなに高価なものでも関係なく没収されます。

液体物ルールに関して、合わせて以下の記事を読んでおきたいですね。

液体の機内持ち込み

液体の機内持ち込みの注意点を徹底解説!【元客室乗務員の解説動画あり】

2021-06-25

保安検査を受ける時間は自分で決める

上述の通り、空港についてから飛行機が出発するまで多くの手続きや検査が待ち受けています。

とくに混雑する可能性のある保安検査は、自分であらかじめ通過する時間帯の目安を決めておきましょう。

ANAやJALの国際線では、出発時刻※の1時間前までにチェックインを済ませ、30分前までに搭乗ゲートに到着するよう案内しています。
(※出発時刻=飛行機のドアが閉まる時間)

つまりチェックインしてからゲート到着までの30分で、保安検査と出国審査、さらに誘惑の多い免税店を抜け、搭乗ゲート前に来てくださいね、ということです。

「でも繁忙期で空港が混雑している時期だと、正直なところ30分は厳しくない?」

そうなんです。
ですので、私が大型の空港を利用する際には、保安検査場は出発の1時間前に通過するようにしています。

保安検査の後の出国審査で、また並ぶ可能性もあったり、大型の空港であれば、ゲートまで徒歩20分以上かかるような距離を歩く場合もありますからね。

免税店で買い物を楽しみたい人は、さらに時間に余裕を持たせていきましょう!

triko

空港によっては、ターミナル間を走る電車に乗って移動しなければならないほどゲートが離れていることがあります。

ゲートの場所は、あらかじめ空港マップで確認しておくといいでしょう!

実際の保安検査の流れ

空港の金属探知機

では実際に保安検査場でどのようなチェックを受けるのかみていきましょう。

大抵の場合、保安検査の入り口でパスポートや搭乗券を見せて列に並ぶことになります。

空港によっては、ここで優先レーンと通常レーンに別かれていることもありますので、表示を見て並びましょう。

保安検査は大きく分けて、人と物の2つの検査を別々におこないます。

人の検査

金属を可能な限り外した状態で、金属探知機を通過します。

ここでピーっと反応した場合は、個別に探知機でボディチェックを受けます。

ズボンのボタンや下着のワイヤーなどに反応することも多いため、同性の検査員がチェックします。

荷物の検査

手荷物はすべてトレーの上に乗せ、X線検査機を通してチェックされます。

出し忘れの液体物や危険物と思われるものが入っていた場合、係員から荷物を開けるよう指示されますので従いましょう。

危険物・持ち込み制限品に関して、あわせてこちらの記事も読んでおきたいですね。

保安検査場

これって飛行機に持ち込みOK? 海外旅行初心者の不安を徹底解消!

2020-02-07

保安検査で注意すべきポイント

では実際に、保安検査で自分の順番がまわってくる前に、まず何をすればいいのか?その注意点を確認しましょう!

保安検査

保安検査で注意すべきポイント
  • ストール、帽子、ジャケットなどは脱いでトレーに置く
  • 液体物、タブレットやノートパソコンはバッグから取り出しておく
  • 身につけているアクセサリーや時計、ポケットの中の小銭・鍵など、すべての金属類を出しておく
  • アメリカなど、国によっては靴を脱ぐ場合もある

保安検査をすんなり通過するためのコツ

保安検査では、ちょっとしたコツを覚えておくことで、時間をロスせず先に進めます。

逆にここを意識していないと、検査に時間がかかったり、焦って忘れ物をしやすくなりますので、ぜひ実践しましょう!

  • 大きな金属アクセサリーやベルトはつけていかない
  • ズボンのポケットは空にしておく
  • 液体物を入れた袋やパソコンは荷物から出しやすい位置に入れておく
  • 外したアクセサリーや小物類は、トレーに置かず手荷物のポケットに収納しておく(忘れ物をしないため)
triko
列に並んでいる時間を活用して、マフラーや金属アイテムをバッグにしまったり、液体物などを取り出しておくと、順番がきても焦らずに検査に臨めますよ。

保安検査もスマート化で時間短縮

最近では保安検査場でもスマート化が進み、待ち時間の短縮や混雑の緩和に一役買っています。
国内の空港でもすでに運用が始まっていますので、違いに驚かれた方もいらっしゃるかもしれません。

オリンピックを目前に、さらに進化する保安検査についてまとめてみました。

ボディスキャナー

人が受ける身体検査として、近年では国内外の多くの空港でボディスキャナーが導入されています。もしかしたらすでに見たことがある方も多いかもしれません。

ガラス張りになった筒状の検査台の中に立って、両手を上げた状態で3秒停止します。

ガラス上でスキャナーが回転し、7〜10秒ほどで結果が表示されます。

これに使われる「ミリ波」は人体に無害の電波で、係員が見る画面もプライバシーに配慮したものとなっています。

近年ではさらに、手をあげなくていいものや、スキャン時間が1秒以下という最新スキャナーも登場しています。

スマートレーン

国内では関西空港や伊丹空港がすでに導入を始めている、スマートレーンというものがあります。

これまでは係員が、地道に手で移動させていたトレーが自動で流れるようになり、さらに手荷物をトレーに置くスペースが広くなったため、3人同時に荷物台を使えるシステムです。

前の人がごそごそと荷物を出し終わるのを待つ必要もなく、荷物をトレーに乗せ終えた人から金属探知機へ進みます。

またベルトコンベアのようにトレーが自動で流れていくので、わざわざ手で押す必要もありません。

かなり好評なこのシステム、これまでなぜ導入されなかったのか逆に疑問なくらいです!笑

人件費の削減、そして時間短縮のためにもぜひ広く導入してほしいですね。

再生ボタン押すと音が出ますので、ご注意くださいね!

CT型X線検査装置

こちらは羽田空港ですでに運用が始まったCT型の手荷物検査装置です。

今までのX線検査では一方向しかX線を照射できず、ノートパソコンやタブレットが画像解析の邪魔になるため、これらを毎回、取り出す必要がありました。

この最新のCT型の検査装置では360度の照射が可能となり、パソコンが入っていても荷物の中身が全方向から確認できるようになりました。

画像も回転させられるようになり、イメージ的に2Dから3Dになったといえます。

検査の効率化だけでなく、テロ対策としても期待される新技術ですね!

まとめ

免税店など気を取られることが多い海外旅行で、ついつい忘れられがちな保安検査。

でも実は甘くみてはいけない重要なポイントだということが、おわかりいただけましたでしょうか?

空港についたら、これらの攻略ポイントを念頭に置いて保安検査を通過しましょう。

その後の旅行もきっと快適なものになるはずです♪

ABOUTこの記事をかいた人

さち

元ANA客室乗務員。乗務歴9年。愛知県出身。

現役時代の海外ステイでは、地元サブカルチャーやローカルマーケット・蚤の市の発掘など、街の端っこを一人歩きするのが趣味という、サブカル好きCA。好きな街はブルックリン、アムステルダム、ベルリン、ロンドンのショーディッチやカムデンタウン。
現在はヨーロッパ在住、ハーフの息子2人と主人と4人暮らし。
空港の保安検査場