「これって飛行機に持ち込みできるの?」
「液体の持ち込みは中身が100ml未満ならセーフ?」
など、はじめての海外旅行で感じる不安や疑問って、色々とありますよね・・・
国際線は、飛行機への持ち込み荷物の規制が厳しいことは、すでにご存知の方も多いと思います。
それにもかかわらず、保安検査(セキュリティーチェック)でカバンを開けられたり、アイテムを没収される人があとを絶たないと聞いて、旅行前から不安になっていませんか?
『規制』というとなんだか恐ろしく聞こえますが、実はそんなに難しいことではありません。
注意するべきは大きくわけて3つです。
次の3つのポイントさえクリアすれば、問題なく保安検査を通過して、楽しい旅行をスタートすることができます。
- 飛行機に持ち込み禁止の危険物
- 液体物を機内に持ち込む方法
- 飛行機に持ち込む手荷物のサイズや個数
「せっかく旅行のために準備したものを、出発前に没収されて悲しい思いをしたくない!」
そんなあなたに、この記事では客室乗務員として8年以上、飛行機に乗っていたわたくし柴田が、3つのポイントをひとつずつ説明していきます。
元CA流の保安検査をスムーズに通過するコツもあわせてご紹介しますね。
目次
飛行機に持ち込み禁止の危険物
飛行機に持ち込みが禁止されているアイテムは、以下の3種類にわけられます。
- 預け荷物と機内持ち込み手荷物の両方でNGなアイテム
- 預け荷物ではNG、機内持ち込みならOKなアイテム
- 預け荷物ならOK、機内持ち込みはNGなアイテム
それぞれのアイテムの例を見ていきましょう。
預け荷物と機内持ち込み手荷物の両方でNGなアイテム
発火性の高いものや毒性の強い危険物は、預け荷物(チェックインバゲージ)でも、機内持ち込み手荷物(キャリーオンバゲージ)でも、とにかく飛行機には持ち込めません。
ガソリン、シンナー、農薬、塩酸などのいかにも危険なものは、持ち込み禁止だと比較的わかりやすいのですよね。
しかし中には、意外なものが危険物に分類される場合があります。
例えば、登山用の酸素シリンダーなどはスポーツ用具なのに、預け入れも持ち込みもできない危険物扱いです。
他にも危険物と気づかず、うっかりスーツケースに入れてしまいそうなアイテムの例をいくつかご紹介します。
- 花火
- 葉巻用ライター(燃料も不可)
- 万能マッチ
- カセットコンロのガスボンベ
- 電池式(リチウムイオン電池)の ヘアカーラー・ヘアーアイロン
- 加熱式弁当(発熱剤付弁当)
- 加熱式飲料(発熱剤付飲料)
- 瞬間冷却パック
- アルコール度70%以上の酒類
- 漂白剤、強力カビ取り剤
- 接着剤
など
預け荷物ではNG、機内持ち込みならOKなアイテム
意外と知られていませんが、預け荷物には入れられないけど機内になら持ち込めるというアイテムもいくつかあります。
- 安全マッチ・ガスライター(1人いずれか1個まで)
- 2.5リットル以下のドライアイス(生もの保存用)
- スマートフォンやタブレットの予備バッテリー(リチウム含有量やワット数などの制限あり)
安全マッチやライターが機内に持ち込めるのは意外だと思いませんか?
1人どちらか1個までならポケットなどに入れて機内に持ち込みが許されているので、喫煙者の方は空港であせって預け荷物に入れないよう気をつけましょう。
預け荷物ならOK、機内持ち込みはNGなアイテム
機内持ち込みの手荷物に入れると没収ですが、スーツケースに入れて預けてしまえばOKというアイテムもあります。
代表的なアイテムはこちらです。
- ナイフ、包丁などの刃物
- 先のとがったピンセットやハサミ
- 日用品・スポーツ用スプレー(引火性ガス・毒性ガス不使用のもの・量制限あり)
- それぞれが100ml、合計で1Lを超える液体物(化粧品や飲み物など)
液体物を飛行機内に持ち込む方法
飛行機への持ち込み手荷物で、もっとも没収率が高いのが液体物です。
ただし、液体物を機内に全く持ち込めないというわけではありません。
ルールを守れば、堂々と液体物を機内に持ち込めるというのが大切なポイントです。
液体物の機内持ち込み基本ルール
飛行機に液体を持ち込む方法は、以下のルールを守れば、問題ありません。
- 液体物をすべて100ml以下の容器に入れる
- 容器をジッパー付きの透明プラスチック袋の中に入れる
- 袋のサイズは縦横の合計が40cm以下(容量1Lまで)
- 1人1袋まで
保安検査を通過したあとに空港内で買ったペットボトルの飲み物などは、機内に持ち込むことができます。
免税品は直航便なら問題ありませんが、乗り継ぎの場合は乗り継ぎ地で没収されてしまう可能性があるので要注意です。
液体物の規制から除外されるアイテム
フライト中に必要な赤ちゃん用の食品と医薬品は、保安検査の際に申告すれば機内持ち込みの規制から除外されます。
つまり、100ml以上でも、透明の袋に入れていなくても持ち込みが可能ということです。
- 液体ミルク
- 粉ミルクを作るための水やお湯
- 離乳食
- シロップタイプの風邪薬(市販でもOK)
- 喘息薬
- 未開封の保存液が入ったコンタクトレンズ
- 塗り薬
規制除外アイテムでも、中身が見える透明な袋にまとめて入れておくと検査がスムーズに行くのでおすすめです。
こんなものも液体物!没収されがちなアイテムとは
『液体物』と聞くと、水のようなものを思い浮かべますよね。
でも機内持ち込みで規制される『液体物』は、意外と広範囲なので気をつけましょう。
微妙だな…と思ったら、とりあえず透明の袋に入れておくのが無難です。
一見『液体』じゃないのに『液体物』と見なされて、没収されがちなアイテムの例をご紹介します。
- リップグロス
- リップバーム
- マスカラ
- 練りチーク
- 練り香水
- ヘアジェル
- ヘアワックス
- 万年筆
- 修正ペン
ボールペンは液体としての規制を受けません。むしろ飛行機に持ち込んでほしい便利アイテムのひとつ!
機内で入国カードの記入をすませておけば、飛行機を降りたあとがスムーズです。
飛行機に持ち込む手荷物のサイズと個数
飛行機に持ち込み可能な手荷物のサイズや重さ、個数は、航空会社や利用するクラスによって異なりますが、参考までにJALとANAの国際線ではこのようになっています。
- 持ち込み個数は、手荷物+身の回りの品(大きめのハンドバッグ)
- 手荷物のサイズ:3辺の和が115cm以内
- 手荷物の重さ:10kg以下
手荷物の重さは、航空会社によっては上限7kgというところもあります。
座席の上の棚に自力で持ち上げて収納しなければならないので、あまり上限いっぱいにつめこみ過ぎるのは避けたほうが無難でしょう。
身の回りの品を入れる大きめのバッグは、飛行機の座席の下に収まるくらいがサイズの目安です。
主な航空会社の公式サイト一覧
各航空会社の詳しい機内持ち込み手荷物の規制については、利用する航空会社の公式サイトで必ず確認しましょう。
日本航空
全日空
ユナイテッド航空
デルタ航空(英語)
アメリカン航空
エアーカナダ
ハワイアン航空
大韓航空
アシアナ航空(英語)
中華航空
エアチャイナ
中国東方航空
中国南方航空
キャセイパシフィック航空
シンガポール航空
マレーシア航空(英語)
ガルーダインドネシア航空
タイ国際航空
エア・インディア(英語)
ベトナム航空
フィリピン航空
エミレーツ航空
カタール航空
カンタス航空
ニュージーランド航空
ブリティッシュエアウェイズ
エールフランス
KLMオランダ航空
スイス航空
フィンエアー
スカンジナビア航空
ルフトハンザ航空
オーストリア航空
アエロフロート
トルコ航空
保安検査をスムーズにすませる7つのコツ
保安検査で手荷物や金属探知機で引っかかってしまうと、時間も取られて、あたふたしてしまいますよね。
できるだけスムーズに保安検査を終えて免税店でゆっくりショッピングを楽しむためにも、次の7つのコツを試してみましょう。
- 飛行機に持ち込み禁止の危険物が手荷物に入っていないか再チェック
- 液体物かどうか微妙なものは、とりあえず液体物として透明の袋に入れておく
- 液体物持ち込みの規制除外アイテムも、透明の袋に入れてカバンから出しておく
- コンピューターや携帯電話などは、カバンやポケットから出してトレイに置く
- ペットボトルのドリンクは、保安検査が終わってから買う
- 髪留めやベルトなど、金属探知機に反応しそうなものは外しておく
- ジャケットや、ヒールがある靴は脱いでトレイに置く
機内持ち込みは事前の準備でストレスフリー!
厳しいといわれる飛行機への持ち込み規制ですが、3つのチェックポイントを抑えて事前に準備しておけば、海外旅行初心者でも旅の達人のようにスマートに保安検査を通過できます。
出発当日までに不安要素を最大限に取り除いて、ストレスフリーな状態で空港へ向かいましょう!
見落としがちなのが、女性の化粧ポーチの中の毛抜き・ピンセット。先がとがっているものは没収されるので、預け荷物に入れましょう。