「海外でのクレジットカードの使い方は、日本と同じ?」
「少額でもカードで支払えるって本当?」
などなど、海外旅行を前に、クレジットカードの使い方が気になっている方も多いのではないでしょうか?
今、ロンドンのカフェでこの記事を書いていますが、私のお財布の中には、クレジットカード1枚とデビットカード1枚、そして現金は・・・ゼロ!
100円未満の買い物でもカードで払えるので、現金はめったに持ち歩いていませんし、イギリス以外の国に行くときも、ほぼクレジットカードだけで過ごしています。
普段はなんでも現金という方も、海外旅行中はクレジットカードが断然便利ですよ!
ただし日本と少し使い方が異なる点も・・・
そこで今回は、私自身の経験や、世界各国に住む友人達からの最新情報をもとに、海外でのクレジットカードの使い方や注意点をご紹介したいと思います。
これさえ読めば、ショッピングからレストランのチップの支払いまで、どんなシーンでも戸惑いませんよ!
目次
海外のクレジットカード最新事情
海外のクレジットカードは、ICチップ搭載が主流です。とくにヨーロッパやオーストラリアなどでは、ICチップが搭載されていないカードは、使えないこともあるほど。
従来の磁気タイプのカードとの決定的な使い方の違いは、本人確認がサインではなく、4桁の暗証番号(PIN)で行われるという点です。
通常、3回続けてPINを入力し間違えると、クレジットカードがロックされてしまいます。
「暗証番号を忘れちゃったから、サインでお願いします」というのは、海外では通用しないので気をつけましょう。
またカードをタッチするだけで支払いができる『コンタクトレス決済』も、かなり普及しています。
少額の支払いがサッとできて、本当に便利ですよ!
外国のコインって難しいので、ついついなんでも紙幣で払いがちではないですか?気づいたらお財布がコインでジャラジャラ重い・・・なんていう悩みも、クレジットカードを使いこなせば解消します。
念のため現金も少し持っていると安心ですが、クレジットカードと違って、現金は盗まれてしまったら終わりです。最低限の現金だけを持ち歩いて、カードをメインで使うようにしましょう。
海外旅行にクレジットカードがあるといい理由は他にもあるので、そちらについては「海外旅行にはクレジットカードが必要な理由と注意すべき4つのこと」でチェックしてみてください(^^)
それでは海外でのクレジットカードの使い方を、ショッピングやレストラン、キャッシングなどの海外旅行中のシーン別に見ていきましょう!
海外でのクレジットカードの使い方【ショッピング編】
まずは海外のスーパーやお土産屋さんなどでのクレジットカードの使い方から!
クレジットカードでお会計したいことを伝えるためには、次の2つの方法があります。
- May I pay by credit card?(クレジットカードで払えますか?)と伝える
- なにも言わずにクレジットカードを店員さんに見せる
レジのカウンターにクレジットカード端末機がある場合は、なにも言わずにクレジットカードを見せるだけで十分伝わるでしょう。
特定のクレジットカードが使えるかどうかを確認したいときは、
(VISA/AMEX /Master /JCBで払えますか?)
と聞けばOKです。
ここからは、端末に PINを入力して支払う方法と、従来通りにサインをして支払う方法にわかれます。
先に、圧倒的に使うことが多い、PINを入力する場合の端末の使い方から説明していきますね♪
PIN(暗証番号)を入力する場合
PINでの支払いは、店員さんがPINの入力以外をすべてしてくれる場合と、自分でクレジットカード端末機を操作しなければならない場合があります。
キャッシュレス化が進んでいる国では、ほとんど後者なで、基本的な端末操作の手順を覚えておきましょう。
操作といっても、そんな大げさなものではないので安心してくださいね!
クレジットカードで支払いたいことを店員さんに伝えると、カウンターの上にあるカード端末機の画面に、『Tap, insert or swipe your card(カードをタップ、挿入、またはスワイプしてください)』という表示がされます。
- ICチップがついている側から、カードを端末に差し込みます。
- 言語の選択画面が出てきたら、ENG(英語)を選択。
- 日本円と現地通貨から選べる場合は、現地通貨を選択。
- 金額を確認してPINを入力し、グリーンのENTERボタンを押します。
- 問題がなければ『Card accepted(カートが承認されました)』『Remove card(カードを抜いてください) 』というような画面表示に変わるので、カードを端末から抜き取り、レシートをもらって終了です。
PINを入力してENTERを押すだけの場合も多いのですが、通貨が選択できるときは必ず現地通貨を選びましょう。
ここで日本円を選んではいけません!
現地通貨以外は、お店が手数料を自由に設定できるので割高です。
ちなみにオーストラリアでは、
- SAV(=セービング)
- CHQ(=チェック)
- CR(=クレジット)
という3種類から、決済される口座を選ぶ画面が表示されることがあります。
日本のクレジットカードの場合は、CR(クレジットカード)を選択しましょう。
PINを押し間違えたときの対処法
PIN を押し間違えたときは、黄色の訂正ボタンを押して、正しく入力しなおせばOKです。
途中で頭が真っ白になって、PINをど忘れしてしまった!というときは、赤いキャンセルボタンを押して、一旦支払いをキャンセル。
落ち着いて、もう一度最初から操作をやり直しましょう。
セルフ式ガソリンスタンドで端末にカードを挿入すると、ZIPコード(郵便番号)を入力するよう表示されます。日本のクレジットカードで給油ができない?!と、焦ってしまいますが、併設のショップに行けば大丈夫です。
レジで、給油所の番号と、いくら分給油したいかを伝えて、カードで支払いましょう。
伝票にサインする場合
磁気タイプのクレジットカードで支払うときや、ICチップが端末にうまく読み取られないときなどは、カードをスワイプして伝票にサインします。
この手順は、日本でクレジットカード決済をするときと、まったく同じです。
このときに、海外だからといって、サインをローマ字にする必要はありません。大切なのは、カードの裏に書かれてあるサインと、伝票のサインが一致していることです。
また漢字のサインは偽造されにくい、というのも都市伝説なので、普段から書き慣れているサインにするといいでしょう。
海外では支払い回数が選べない
海外では、日本のように一括やボーナス払いなどの支払い回数が選べません。
ではどうなるのかというと、自動的に設定された支払い方法で決済されることになります。
初期設定で、『海外での利用はリボ払い』となっているカードも多いようです。
知らない間に、手数料を支払うはめにならないよう、出発前に設定を確認しておきましょう。
もし帰国後に返済がきつければ、ほかの支払い方法に変更することもできます!
海外でのクレジットカードの使い方【レストラン編】
海外のレストランやカフェのチップも、クレジットカードで支払うことができます。
まずは『Check please.』または『Bill please.』と、ウェイターに伝えて、伝票をもらいましょう。
クレジットカードで支払いたい場合は、カードを伝票のホルダーに挟むか、伝票が置かれたトレイの上にカードを乗せておけばOKです。
実はここから、国によって、支払い方法が2パターンにわかれます。
チップの加算方法がまったく違うので、現地でビックリしないように、両パターンをご紹介しておきますね。
「Can you split the bill please?/Can we pay separately?」と言えば、クレジットカードでも割り勘にしてもらえることが多いです。
ただし高級なレストランではやめておいた方がいいでしょう。
まずは主にヨーロッパで浸透している、PINを使った支払い方法から説明します。
PIN(暗証番号)を入力する場合
イギリスをはじめ、ヨーロッパ各国では、テーブルでPINを入力して決済する方法が主流です。
より安全な支払い方法なので、アメリカでも一部のチェーンレストランが導入し始めています。
クレジットカードで支払いたいことがウェイターに伝わると、
- ウェイターがコードレスのカード端末機をテーブルに持ってきます。
- ウェイターが請求金額を端末に入力します。
- クレジットカードを端末に差し込みます。
- チップを加算しますか?という質問が表示されたら、YESを選択。(加算したくない場合はNO)
- チップのパーセンテージを選択、もしくは、加算したいチップの金額を入力します。
- 合計金額を確認したら、4桁のPINを入力して 緑色ののENTERボタンを押します。
- 端末をウェイターに戻して、クレジットカードとレシートをもらって完了です。
請求額にサービスチャージが含まれている場合などは、ウエイターが途中まで端末機を操作して、あとはPINを入力するだけの状態で渡されることもよくあります。
クレジットカード伝票に署名する場合
一方、アメリカやハワイなどでは、ICチップ搭載のクレジットカードでも、伝票にサインをする決済方法が多数派です。
ウェイターにクレジットカードで支払いたいことが伝わると、
- 伝票とあなたのクレジットカードを一旦レジに持っていきます。
- クレジットカード用の伝票とクレジットカードを持って、テーブルに戻ってきます。
- Merchant copyと書かれたお店用の伝票に、チップの金額と合計金額を記入してサインします。
※チップの記入欄には、Tipもしくは、Gratuityと目立つように書かれてあるので、すぐわかると思います。 - クレジットカードを返してもらいます。
Customer Copyと書かれた伝票があれば、お客様控えなのでもらって帰りましょう。
たとえば請求額が$50で、$5のチップを加算したい場合は、
- Subtotal:$50.00
- Tip(もしくはGratuity):$5.00-
- Total:$55.00-
という感じで、2と3の金額を記入して、下にサインをします。前もって知っていれば、意外と簡単ですよね。
チップは日本にない習慣なので、少し戸惑ってしまいますよね?(^^;)
どんなときにチップが必要なのか、相場どれくらいなのかなど、海外のチップ事情を知りたい方には、こちらの記事も確認しておきましょう。
海外でのクレジットカードの使い方【キャッシング編】
クレジットカードのキャッシング機能を使えば、両替の手数料を節約することができます。
でもすべての海外のATMが、日本語対応しているとは限りませんよね。
普段見慣れない英語のフレーズに戸惑っているうちに、クレジットカードがATMに飲み込まれてしまうこともあるので、あらかじめ、操作の流れを覚えておくとスムーズですよ。
実際にATMの画面に表示される英語のフレーズにそって、操作の手順を見ていきましょう。
- Insert Your Card
カードを挿入してください - Select a Language
言語を選択してください - Enter Your PIN. Then Press Enter
暗証番号を入力して、ENTERキーを押してください - Select Type of Transaction
取引内容を選択してください
→『WITHDRAWAL』または『CASH ADVANCE』を選ぶ - Select Account for Withdrawal
引き出し口座のを選択してください
→『CREDIT CARD』を選ぶ - Enter the amount. Then press ENTER.
金額を入力して、最後にENTERキーを押してください - Please Take Cash
現金をお受け取りください - Would You Like Another Transaction?
引き続き操作を続けますか?
→NO(CLEARキー) - Please Remove Card and Take Receipt.
カードとご利用明細をお受け取りください
取引内容や引き出し口座などは、単語を知らないと戸惑ってしまうので、メモに書いておくと便利ですよ(^^)
国によっては4桁ではなく、5桁や6桁の暗証番号を求められることがありますが、気にせず4桁の暗証番号(買い物の支払いで使うPINと同じです)を入力してENTERを押せばOKです!
ただしベトナムだけは例外で、4桁のあとに00をつけて6桁にします。
海外でのキャッシングについての注意点や、現金の両替手数料との比較などは、「クレジットカードキャッシングのメリットや両替手数料の比較」が参考になりますよ。
使いすぎが心配なら国際ブランドのデビットカード
クレジットカードは使いすぎてしまいそうで心配という方には、国際ブランドのデビットカードがおすすめです。
カードによっては、海外旅行損害保険が付帯しているものや、海外で現地通貨が引き出せるものもあります。
デビットカードは、クレジットカードと違い、使った瞬間に口座からお金が引き落とされる仕組みです。口座の残高以上の金額は使えないので、使いすぎ防止にはピッタリ!
海外でも普段の支払いには、クレジットカードよりデビットカードの方が人気です。
また銀行口座があれば審査が不要なので、クレジットカードの審査に落ちてしまったという方にもおすすめします。
ただし同じデビットカードでも、J-Debitは海外で使用できませんので、海外旅行に持っていくなら、VISAやJCBなどの国際ブランドと提携しているデビットカードを選びましょう。
デビットカードのデメリット
使い方もクレジットカードと同じで、なんだかメリットだらけのようなデビットカードですが、残念ながらデメリットもあります。
- 残高不足になると使えないので、万が一の出費のときに困る
- 海外での現地通貨引き出しの為替手数料が高い
- カードによっては海外で現地通貨の引き出しができない
- カードによっては海外旅行損害保険が付帯していない
- ホテルやレンタカーのデポジットとしては不便
現地での思わぬ出費や、海外旅行保険などのことを考えると、クレジットカードをバックアップとして持っていったほうが心強いでしょう。
海外でクレジットカードを使うときの注意点
海外旅行中は、クレジットカードの不正使用被害に十分気をつけましょう。
注意しても避けられないような巧妙な手口もありますが、ちょっとした防犯意識を持つだけで、トラブルに遭う確率を減らすことができます。
海外でクレジットカードを使うときは、次の4つの注意点を心に留めておきましょう。
- PIN(暗証番号)は誰にも知られてはダメ!
- キャッシングは安全なATMを選ぼう!
- クレジットカードの飲み込まれに注意!
- クレジットカードのレシートは捨てないで!
それぞれ、詳しく説明していきます。
PIN(暗証番号)は誰にも知られてはダメ!
クレジットカードのPINは、絶対に他人に知られてはいけません!
なぜならPINを使った不正使用の被害は、保険の適用外になるからです。
PINを入力するときは、必ず片方の手で、入力している方の手を覆いましょう。周りに誰もいないから大丈夫!と思っても、隠しカメラが設置されていることもよくあります。
「心配過剰な観光客みたいで恥ずかしい。」なんて言っている場合ではありません!
現地の人も、PINを入力するときは手で隠していますよ。
キャッシングは安全なATMを選ぼう!
私もはじめて見たときはビックリしたのですが、海外のATMって、普通に道端にあったり、壁の中に埋め込まれていたり・・・
ATM が24時間使えて便利な国も多いのですが、その分安全面が気になるところです。
夜間には絶対に使わないというのはもちろん、キャッシングをしているときは、友達に後ろに立ってもらうなどの対策が必須です。
できれば、営業時間中の銀行など、建物の中にあるATMを選ぶようにしましょう。
クレジットカードの飲み込まれに注意!
実はこれ、私も昔やってしまいました。
画面表示をしっかり読もうとして操作に時間がかかりすぎたために、カードがATMに飲み込まれてしまったのです(汗)
幸い空港内のATMだったので、近くのスタッフに助けてもらえましたが、危うく海外旅行に到着早々クレジットカードをなくすところでした。
操作方法が途中でわからなくなったら、とりあえずキャンセルを押して最初からやりなおすようにしましょう。
現金やカードが出てきたら、素早く抜き取らないと、ATMに引き戻されてしまうので注意です。
万が一、カードが飲み込まれてしまった場合は、絶対にその場を離れてはいけません。離れてしまうと、その間にカードが盗まれることがあるからです。
正しい対処法は、ATMに書かれてある番号に電話することだそうですが…パニックになっているときに英語の電話なんて、ムリですよね?(泣)
先ほど気になって、通りすがりにATMを見てみましたが、そもそも電話番号が見つけられませんでした・・・。
こういうトラブルに遭ったときのことも考えて、やはりスタッフがいる営業時間内の銀行や空港内のATMが安全です。
クレジットカードのレシートは捨てないで!
クレジットカードの不正使用は、実はそんなに珍しくありません。
私も気づかないうちに、行ったこともない国でカードが使われていたことがありました。とくに海外旅行は、いろいろな支払いをしますよね。
そのなかに、いくつか不正使用の請求が混ざっていても、なかなか気づきにくいものです。
海外旅行中に使ったクレジットカードのレシートは、捨てずにすべて保管しておいて、帰国後にカード明細と照らし合わせてみましょう。
海外でのクレジットカードの使い方まとめ
今回は、海外でのクレジットカードの使い方について、詳しくお伝えしました。
最近のクレジットカードは、日本でもほとんどICチップ搭載なので、PIN(暗証番号)がわからないと、海外では使えません。出発前に、必ずPIN(暗証番号)を確認しておきましょう。
あとは、クレジットカード端末機の使い方、ATMでのキャッシングの方法、海外のレストランでチップをカードで払う方法を予習しておけば、現地で戸惑うことなく、スマートに海外旅行が楽しめますよ!
クレジットカードの不正使用被害に遭わないためにも、PINを入力するときは手で覆って隠すなどの安全対策を意識しながら使ってくださいね。
イギリス在住の元CA、柴田です(^^)